娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市松原児童館で小2男児が職員を背後からバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。事件についてのあれこれ,世に伝えられる暴力などについて考えたあれこれを記しています。私の名前は,久保田昌加(仮名)。

児童館のなぜ?

「ウレタン製バット」と「叩く」が意味するもの

前回,労災の判断に関する疑問を記しました。「労働者災害保険審査官決定書」を読み込む中で気付いたことです。その中の一つとして「災害発生状況」の記載内容,同僚と上司の証言の違いにも触れました。子細については,『やはり「うずくまる」は作為だった…

労基署の対応を振り返って考える

前回,娘の労災に関する「決定書」の記載に,労災医員の恣意的な記載があることを記し,それが労基署担当や労災協力者の事件に対する認識を象徴するものとしました。そこで改めて,労災担当者である労基署の対応について振り返ってみたいと思います。 労災関…

事件の原因は野球の禁止なのか

加害児童に関する曲げられた説明を考える中で(「加害児童への対応も矮小化されている」),この事件の要因とされた「野球ができない」問題についても改めて振り返っておきたくなりました。いつもどおり,児童館で作成した資料の関連記載を拾っておきます。①…

加害児童への対応も矮小化されている

ここ数回,娘の事件現場がどのように記されているかを再確認してきました。事件現場がどのようにねじ曲げられているのか(「改めて事件現場を考える」,「やはり『うずくまる』は作為だった」),被害者である娘への不適切な対応(「記憶消失の間にあったこ…

記憶消失の間にあったこと

娘の事件現場について,事実をすり替えていたことを記したとおり(「やはり『うずくまる』は作為だった」),事件は出発点から故意に歪められています。今回は,事件の日が終わるまでについて振り返っておきます。 事件2カ月後の2017年7月,児童館指定管理…

やはり「うずくまる」は作為だった

前回,娘の事件現場の真実が偽られていることを記しました。バットで頭を横から殴られた人間が,「倒れ」ずに「しゃがむ」動きをするのは無理があるのではないか,と(「改めて事件現場を考える」)。この考察の根拠とした資料は,児童館長が作成して事件2…

改めて事件現場を考える

バットで頭を殴られたにも関わらず救急車を呼んでもらえなかった。それが娘の事件に対する疑問の始まりといえます。ヘルメットがあるのは頭を衝撃から守るためと学習しているので,頭に衝撃を受けた人には慎重にという考えを持っているからです。これまで何…

脳振盪って軽くないんです

娘が現在も治療を続けている脳振盪後遺症に関連して先月,患者の治療の大変に対する認知が低いことを記しました(『なかなか知られにくい脳損傷』)。脳振盪の重さに対する知識が普及していないことを憂慮する気持ちからのものです。 私がこの問題を考えるよ…

脳振盪,知らない振り?

先日,朝日新聞が「ヘディングの危険」と題する3回連載をしました。サッカーのヘディング反復が子供の脳に悪影響を与える可能性があるとして,日本サッカー協会がヘディング練習のガイドラインを発表したことを受けてのものでした。 ヘディングの危険性に対…

不誠実と向き合い続けて

2017年5月24日午後4時頃,神戸市松原児童館前の路上。児童館職員として他の児童に注意を与えていた娘は,小学2年男児に背後からバットで後頭部を殴打されました。その場に昏倒した娘は,近くにいた通行人の女性が叫びながら近寄って来る姿を朦朧とした意…

指定管理者と施設設置者の役割分担は

それにしても,神戸市はなぜ被害者を忌避してきたのでしょう。被害者と会わない理由について,「指定管理者」が行うべきことだからとしてきました。市に入る情報が指定管理者の情報のみであれば,その理由も妥当なところでしょう。ところが指定管理者と異な…

記者会見で強調された言葉の軽さ

神戸市が被害者に向き合ってこなかった疑問について,今回も記者会見で出された言葉から考えてみます。 事件から7カ月近く経過した2017年12月19日の新聞報道でしたがその2日後,神戸市内の全児童館や関係者に対し,「放課後児童クラブ(学童保育)での職員…

事件は学童保育で起きたのですが

2017年6月,郷里での1カ月の療養から神戸に戻った娘は,自身の生活が狂わされた事件に関し,全く語られない調査も行われない状況への疑問から,児童館に関係する人たちへの接触を進めます。事件を知っているのか,どのように受け止めているのか,再発を防…

救急車を呼びたくなかった,のでは

昨年の秋,ラグビーワールドカップで日本中が盛り上がっていました。一戦々々を心待ちして楽しみました。若い頃見た観客の少ないラグビー場とは隔世の感一入でした。記憶する30年ほど前のラグビー戦には「魔法のやかん」が存在しました。衝突で頭を打って倒…

現場で少年法はどのように意識されているのか

今月初め,法務省は少年法の見直しに関する要綱原案を法制審議会の部会に示したとする報道がありました。選挙年齢や民法での成年年齢が20歳から18歳に引下げられることに合わせ,少年法の対象年齢を従来の「20歳未満」とするのか引き下げるのかが見直しの最…

事件の被害者に対する想像を

世の中の流れとして,犯罪被害者のことをもっと重く考えなければならなくなっていますよ,という話を繰り返してきましたが,今月もう一つ,そのことを押してくれるような報道を見つけたので記しておきます。 今月6日に最高裁小法廷であった判決です。まず事…

4回目の「5月24日」

2017年5月24日午後4時の神戸市・松原児童館前,娘が小2男児にバットで殴られました。それから3年経ちましたが,被害者が置かれている状況は何も変わっていません。この1年もまた,事件の事実が語られないまま時間だけが過ぎ,歯がゆい思いはそのままで…

事件を「誤解」で済ませようとしているのか

5月は娘が事件に遭った月です。疑問がそのままの3年目でした。私たち親娘が事件に疑問を持ったのは,児童館の事件対応に疑問を感じたことから始まります。暴力事件なのに警察が知らなかったり,頭をバットで殴られた人がいるのに救急車が呼ばれなかったり…

少年の暴力はどこで生まれるのか

また少年による殺人事件が起こりました。今月23日に最初の報道があった事件です。3月下旬,岐阜市内の橋の下で暮らす81歳のホームレスの男性と一緒に暮らす女性の2人が,何者かに石を投げつけられてその場から逃走,約1キロほど離れた路上で女性が振り向…

改めて加害児童への対応を振り返る

前回,神戸市教育委員会に触れる前提として,加害児童が属する小学校の対応に触れましたが(『娘の事件,加害児童の小学校はどう受け止めた』),合わせて事件後,加害児童をどのように対処したのかについても改めて整理しておきます。 事件は2017年5月24日午…

神戸市,今度は児童相談所ですか

これも今月報道された話から始めます。今月10日の午前3時ごろ,と言いますから真夜中になりますが,神戸市の児童相談所である「こども家庭センター」に助けを求めに来た小学6年の女児を当直者が追い返していたことが,19日になって報道されました。 娘がバ…

この1年も疑問はそのまま

平成の最終年・令和の最初年が間もなく終わります。娘の事件にとってのこの年をポイントを記しておきます。 このブログをこれまでご覧になっている方にはわかると思いますが,事件に関して私がずっとこだわっているのは「事件の真実が語られていない」という…

指定管理者はノウシントウを知らなかっただけなのか

娘の症状の中でも重いノウシントウについて,事件直後から関係者が触れてこなかったことへの疑問を前回記しました(’19/09/22『ノウシントウ,知っていますか?』)。このことについて,被害者と指定管理者との関わり方を振り返りながら,具体的に記しておき…

ノウシントウ,知っていますか?

娘は現在,複数の病院に通院して診察・治療を受けており,中でも脳震盪(のうしんとう。「脳振盪」とも。以後はカタカナで)の専門医の診療を得るようになってから,冷静に自分の体を考えられるようになり,中心的で重要な診療になっています。しかし,事件…

隠そうとするから疑問が膨らむ

娘は子供と関わる仕事をしたいと勉強を続けてきて,その対象から暴力を受けるという事件に遭遇し,身体的のみならず精神的にも大きな荷物を負わされながら,子供と関わる自分の未来を考え続けてきました。そのため,事件の実態を語りながら,教育・学童保育…

神戸の児童館でまた,それ暴力

今週,神戸市の児童館に関する事件報道がありました。兵庫区の児童館で5月,小2の女児が同じ小学校に通う小1~小3男児に,児童館の廊下で「殺すぞ」などと脅かされて服の一部を脱ぐよう迫られたり,目隠しをされて数人に体を触られたりするなどの被害を…

記録で確認できる隠蔽・矮小化

これまでの経過を考えると,事件の隠蔽・矮小化の件は小さくないし(’19/06/19『やはり事件は隠蔽から動き始めたのではないか』& ’18/11/09『事態は矮小化されている』),もう少し丁寧に説明したいので,手持ち資料で再確認します。 事件の隠蔽・矮小化が…

隠蔽がもたらした影響を市教委にみる

事件に対する初期の対応が,児童館指定管理者による隠蔽工作によってねじ曲げられた方向で始まっていることを前回記し(’19/06/19『やはり事件は隠蔽から動き始めたのではないか』)、「隠蔽というレンズを通し,残されているパーツを改めて見直していくこと…

やはり事件は隠蔽から動き始めたのではないか

前回の救急車が呼ばれなかった理由を考えていくと,隠蔽が浮かび上がってくることを書きました(’19/05/31『救急車を呼ばない理由=隠蔽』)。そのとらえ方を踏まえ,改めて娘の事件に重ね合わせて考えると,やはり事件そのものが隠蔽によってねじ曲げられた…

救急車を呼ばない理由=隠蔽

娘の事件を考える上で,最初から大きな疑問の渦中にあるのが,救急車が呼ばれなかったことです。この問題を考えるうえで参考となる事件がありました。今月書類送検の報道があった近大生一気飲み死亡事件です。 事件の経過について,簡単に触れておきます。20…