娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市松原児童館で小2男児が職員を背後からバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。事件についてのあれこれ,世に伝えられる暴力などについて考えたあれこれを記しています。私の名前は,久保田昌加(仮名)。

児童館が作成した資料(1)

 事件から1カ月経過して,娘と私は指定管理者の事務所を訪問します。その面談の中で,時系列の資料を作っている旨の話がありました。その後7月6日,指定管理者から電話があり,児童館長が作成した資料があるので送りたいとの話で,それを了承したところ,10日に郵送がありました。早速,内容を確認させてもらいましたが,疑問を感じるところが多々,一言で言えば信頼性にかける資料としか思えませんでした。とはいえ,事件を振り返るうえでの手掛かりはなると考えています。そこでここでは,私が感じている疑問点について記載しておきたいと思います。

事件の発生時間に関して
 事件の発生時間について,一度目は「16:10」とし、翌日の現場での再確認では「16:15頃」としていますが,児童館で決められているスケジュールで行動していた娘は明確に「午後4時」と記憶しています。細かい表記の,たかが10分,15分の話ですが,この資料の記載内容の正確さを考えるうえでは象徴的見ていますし,彼らが記す事件現場の曖昧性を物語っているものと考えています。

娘の意識について
 娘は,バットで殴打されて昏倒し,意識朦朧とした時間に入ります。朦朧とした状態から開放されるのは,最初の病院で受診中と語っています。資料には病院に運ぶまでに凶器のバットのことを語ったことになっていますが,娘は受診が終わってから答えたと記憶しています。どちらが正しいかについてここで述べるつもりはありませんが,頭部外傷を受けた人間がどのような状態になるのかを知っていれば,そのことについて正否を問うことの無意味さに気付くはずと考えています。

殴打された直後の娘の状況について
 殴られた状態を翌日になって現場にいた人間から問い合わせた部分に,「左耳の上にあたり、K先生は痛さに一瞬気絶するがすぐに気を取り戻す。道路上にうずくまっているところを近くにいた通行人や館の前の人に助けられ児童館で頭部を冷やし手当を受ける」とありますが,本人は殴られて前のめりに倒れ,顔を地面に強く打ち付け,「うずくまって」はいないはずです。本人もうずくまった記憶はありませんし,何よりも帰郷時の顔面には倒れた時の傷がありました。「うずくまって」ほしい記述者側の願望だと考えています。

事件現場にいた職員
 再掲載になりますが,前段に続く部分に「当時、H先生は外遊びの道具を出そうと一階の倉庫に向かっており、事故の瞬間は子どもしか見ていなかった」とあります。しかし娘は,犯行直前にこの「H先生」が娘と児童の動きを見ていたことを自分の目で確認していましたし,加害児童の行動を制するような動きや娘に対する危険の呼び掛けなどもなかった,と記憶しています。この人はこの後,資料には登場しませんし,1カ月経過してから始まった警察の調査にも現れません。私はこの職員は隠されたと考えています。