娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市松原児童館で小2男児が職員を背後からバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。苦しむ日々が続いています。事件について考えたあれこれを記しています。私の名前は,久保田昌加(仮名)です。

プライバシー? 聞いてないけど

 神戸市は,事件に関連する問いかけに対し,「プライバシー」という言葉を使うことがままありました。関連する質問・回答から,この言葉について整理しておきます。

[タイトル]加害児童に対する関心について
[質問] これも記者会見用に作成した資料に関連します。補足資料に、「児童相談所への通告時間」について、「児童相談所への通告は警察が行なったものなので不明。被害職員の親族が警察に届けを出されたのが6月27日であったためその後と思われる」とあります。そこで、以下を質問します。
(1) 児童相談所に通告された児童の状況を把握する考えはあったのでしょうか。
(2) 平成30年6月の市会委員会の答弁では、加害児童が1年生の時から課題のある子どもである旨の答弁をされていますが、そのことを把握されたのは『いつ』でしょうか。
[回答](1) 加害児童が児童相談所に通告されているかどうかも含め、個人のプライバシーに関わることであり、市としてはお答えできかねます。
(2) 平成28年3月より把握しております。

[所見](1) 質問と回答を改めて比べていただきたいところです。質問は「児童の状況を把握する考えはあったのでしょうか」,市として加害児童の把握にどのように向き合ったのか,を聞いていて,児童個人の状況を聞いているわけではありません。

 「個人のプライバシーに関わること」なので答えられないという,そのプライバシーについて,辞書などでは「個人や家庭内の私事・私生活。個人の秘密。また,それが他人から干渉・侵害を受けない権利」などと説明されます。また,少年法には「氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真」に関する報道規制の条文もありますから,それだけ慎重にしなければならないことは理解しているつもりです。
 そのうえでの質問でしたが,やはりここでも使ってきました。私どもからの質問に,加害児童の個人情報に関する,先に記した一般的なプライバシーに関する内容が入っているのでしょうか,神戸市さん!

 神戸市は,これまでも市会委員会での答弁も含め,少しでも「児童」に触れる言葉があると,「プライバシー」を持ち出します。同様の対応は,質問状提出の際の課長の発言にもありました。提出の際のブログを見ていただければわかります(’19/03/15『質問状,出してきました』)。
 彼らは,「プライバシー」を出して事件に関係する説明をしない,具体的な説明ができないので「プライバシー」を持ち出す姿勢をお持ちです。被害者からみると,「プライバシー」という言葉は聞かれた質問に答えないための「煙幕」としか思えないのです。この回答でも,同様な用例として受け止めています。

 情報公開の際にも,指定管理者から神戸市に提出された事件の顛末を記した報告書が「公開すると個人の平穏な生活に支障をきたすおそれがある」との理由で「全部非公開」とされましたし,他の文書も同様の理由で「文書中・・非公開」としてほとんどの項目を隠されていました。これらの判断は児童館担当によるもののようですので,先に記した「プライバシー」に連なる姿勢からのものと考えています。プライバシー一般論や少年法に記載されている内容が,この「非公開」の中にどの程度含まれているのか,非常に興味を覚えているところです。

 いずれにしても,神戸市は「プライバシー」を「伝家の宝刀」として使えるとでも思っているのではないでしょうか。その姿勢には,彼らの仕事に取り組む姿勢の安易さが現れているとも受け止めています。

(2) 市会常任委員会での答弁をもとにした質問でした。
 事件時の加害児童は小学2年生でしたが,回答の「平成28年3月」からとすれば,神戸市はこの児童が課題のある子どもであることを,入学前から把握していたことになります。年齢が一般的な就学年齢であれば,ですが。児童の問題行動に対して「小学校と児童館と保護者の間」で協議していたと,市会委員会で答弁しているわけですが,入学前の時点から児童館は関与できたのでしょうか。被害者からみると,質問への対し方が粗雑であることを証明しているようにしか思えません。
 この件についてもっと聞きたいところですが,聞けば「個人のプライバシーに関わることなので答えられない」とする得意の言葉が返されるのだろうな,とも推測しています。