娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市松原児童館で小2男児が職員を背後からバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。苦しむ日々が続いています。事件について考えたあれこれを記しています。私の名前は,久保田昌加(仮名)です。

校長先生の報告はガセネタにされたのか

 前回・前々回と,加害児童への措置(『改めて加害児童への対応を振り返る』)や彼が通う小学校の対応(『娘の事件,加害児童の小学校はどう受け止めた』)について書きましたが,神戸市教委との関係を語る前に,もう一つ記しておくことがあります。

 娘は,事件前年の2016年4月から神戸市内の小学校で講師をしながら,大学院に通っていました。2017年4月からは前年とは別の小学校で講師を始め,指導教授のアドバイスもあって児童に触れる機会を増やすことを目的に,5月連休明けから児童館に勤め始めました。しかし2週間ほどで事件に遭遇します。事件翌日,医者から入院を指示されますが,前日の医院や児童館の対応に不安を覚え,帰郷しての入院を選択します。指定管理者の事務所で労災手続の書類をもらって駅に向かいますが,前日の事件と勤務できなくなった経緯を勤務先小学校の校長先生に伝えます。この校長先生は,娘に聞いた話をすぐに教育委員会に報告します。勤務する職員が事件によって勤務できなくなったわけですから当然です。児童館資料にも電話連絡を受けたことが記されています。
 この勤務校の校長先生には,入院中にも娘の様子を確認する連絡をいただいていましたし,就職活動ができなくなった娘を励ましていただいていました。郷里での療養が終わって神戸に戻った娘に付き添った際,私も初めてお会いする機会を得ました。この時も事件後対応について,いくつか疑問を述べられていました。教育委員会には「ウチの大事な職員が事件に遭った」的物言いで連絡したが加害児童の小学校からは何の報告もされていない,というような話がありました。

 この問題に触れたのは,市教委への要望書に関連するからです。要望書に,事件翌日に勤務校の校長から報告があったはずだが加害児童の学校からはどのような報告を受けたのか,との質問を入れました。これに対する回答は,平成29年12月の新聞報道があった際に小学校から電話連絡があり,指導主事を学校に派遣して聴き取りをした,となっていました。つまり,教育委員会は事件のあった5月ではなく12月の報道で初めて知った,と。だとすると,疑問が湧いてきます。

 一つは,児童が属する小学校の校長です。被害者からの被害届提出,それに伴う警察の触法調査と結果としての児童相談所送致について,要するに少年法にもとづく措置について,なぜ教育委員会に報告しなかったのか,です。このようなケースは校長に任され,教育委員会に報告する必要はなかったのでしょうか。それはないですよね,報道直後には聴き取りをしているわけですから。本来であれば,児童に関する都度々々の状況について,市教委に報告すべきではないのでしょうか。
 もう一つは,被害者勤務校の校長からの連絡はどこに消えたのか,です。これではガセネタ扱いです。加害児童の行為については加害児童が属する小学校が主となるのかもしれませんが,職員を急に現場から離さざるを得なかった校長の報告は,なぜ無視されるのでしょう。仮に加害児童の小学校からの報告がなかったとしても,勤務校からの情報に事件性が含まれていた場合,市教委として何らかの確認行為が行われるべきではないのでしょうか。

 加えて,事件に加害者と被害者がいることが報道からわかるはずです。加害児童につながる情報は学校側に聴き取りをしたはずですが,なぜそこで終わったのでしょう。被害者側からの聴き取りはしないんですね。被害者を無視するというのは,事件全体像を自ら確認しようとはしないことです。これは児童館担当の市こども青少年課と同じです。児童館情報に依存して自ら検証の行動はしない,事件にフタをしようとする姿勢を感じます。こども青少年課の歩調を合わせたのでしょうが,はっきりしているのは,市教委としての不作為です。

 娘は,勤務校では校長先生以下,同僚の先生方にも大事にしていただき,3学期には学校にも顔を出して子供たちと交流する時間も作っていただくなど,親切に見守っていただきました。親としてとても感謝々々です。それゆえ校長先生の報告がガセネタにされたとすれば申し訳ないと思うこともありました。しかし根本的には,現場の報告をないがしろにする「本店」って何様?っていう話です。バッキャロー!でしょ。
 市教委への疑問は,市教委の事件に対する姿勢の表れです。それについては次回改めて記します。