娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市松原児童館で小2男児が職員を背後からバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。事件についてのあれこれ,世に伝えられる暴力などについて考えたあれこれを記しています。4の付く日に更新しています。私の名前は,久保田昌加(仮名)。

暴力スポーツ指導者の排除を

 前回掲載した熊本秀岳館高校サッカー部での暴力事件を。取り上げた時期が最初の報道の3日後と早かったのですが,今もメディアでの取り上げが続いている状況なので,便乗してもう一度書きます。

 最初の報道は,30代男性コーチによる3年生部員に対する暴力行為でした。この時点で監督のコメントがないことに対する不信感を記し,学校長のコメントがないことにも疑問を感じたことを記しました。学校という囲われた世界で起きた暴力行為に対する学校指導者の誠実な姿勢を求める気持ちからのものが,前回の私の考えでした。
 ところがその後の報道を見ると,まさに大人の側の,これまでの不信感溢れる行動や不作為がボロボロと出てきているように感じられます。暴力を否定しない人たちによる暴力の積み重ねが一挙に表面化しているように思われます。

 事件の発端となったコーチは書類送検されましたので,暴力行為が確認されたわけですが,ことはそれだけではありませんでした。その後において選手たちがサッカー部公式ツイッターに経緯説明の動画と謝罪を投稿していますが,学校関係者の姿はなく,間もなく削除されています。
 より問題化させたのは監督の言動行動です。事件発覚間もない時期に監督がテレビに生出演し,誠実な指導者をイメージさせるような対応をし,一連の騒動を謝罪しています。ところがこの一方には,暴力行為を映した動画を拡散させたとされる部員2人を加害者扱いして責めるという行動が隠されていました。しかもこの音声がツイッターに投稿されます。監督の発言内容は,脅しのような物言いも含むもので,監督の教育者としての資質そのものに疑問符を付けるものだと思っています。

 さらに加えて,入部を控えた中学生に対する上級生の暴力行為によって被害届が出されるという事件も発覚します。こうした一連の騒動に関連して,学校が記者会見を今月5日に開いています。この中で,生徒に対するアンケートで,過去2年間におけるサッカー部の監督やコーチによる生徒への暴力行為が25件,部員同士の暴力行為が13件確認されたことも報告されています。この学校の暴力行為は,単にサッカー部に限られるものではなく,指導者も含めた学校の暴力体質から醸成されたものといえるのでしょう。
 この記者会見についてはテレビニュースで見ました。校長は90代とのことでしたが,通り一遍の謝罪の言葉を連ねるだけで,学校責任者の覚悟は感じられませんでした。それ以上に,監督の記者との応答を聞いていると,質問にまともに答えず謝罪の言葉を連ねれば切り抜けられるとの姿勢の持ち主のように思えました。恐らく彼はこれまでもそうした経験を積み重ねてきたように思われます。大事なことは事実に向き合うことですが,そうした姿勢が感じられないのです(最も,最近報道される多くの謝罪の場面では似た傾向があることも確かですので,それだけ誠実な人物が責任ある立場についていないことが多いのでしょうが)。私には,この監督の暴力的資質がこの事件の骨格となっていると感じられてなりません。

 サッカー部は県内の強豪校とされ,部員200人,コーチ14名を抱える大所帯とのことです。監督はこのチームを全国大会に導くなどの実績を持つ英語教諭で,事件が表面化して間もない時期にテレビにも出演し,「暴力行為を見たことがない」「謝罪動画には関わっていない」などの発言を繰り返していました。しかし,そうした説明はその後くつがえされ,彼自身の暴力行為も公にされ,謝罪に追い込まれています。学校側も監督の発言が不適切だったことを認めて謝罪することになり,監督は自宅謹慎の処分を受けたようです。私はこの監督が問題の核にあるように感じていますが,それ以上にこの教師に対する学校の責任は小さくないはずです。このような問題人物を学校の,それも指導的立場に起用する学校の体質が,そもそも暴力問題の根底にあるように感じられてなりません。今回表面化した暴力的体質を学校が排除できなければ,教育の看板を下ろすべきだと考えます。