娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市松原児童館で小2男児が職員を背後からバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。事件についてのあれこれ,世に伝えられる暴力などについて考えたあれこれを記しています。4の付く日に更新しています。私の名前は,久保田昌加(仮名)。

改めて事件現場を考える

 バットで頭を殴られたにも関わらず救急車を呼んでもらえなかった。それが娘の事件に対する疑問の始まりといえます。これまで何度も書いてきたとおり,私は脳振盪に無知な振りをする児童館関係者の対応に,疑問を膨らませながら4年を経過して今にあります。改めてそうした疑問を踏まえながら,事件現場を振り返ってみます。

 まず,娘の記憶から拾ってみます。Aとしておきます。2017年5月24日午後4時,神戸市立松原児童館の前に外遊びに向かう子供たちが集まります。この2時間前のミーティングで「外遊びでのボール遊びは危ないのでしない」ことが決まります。ところが外遊びのために子供たちが児童館前に集まると,野球道具を手にしていました。娘が渋る上級生にボールやバットを返すよう注意していると,ほかの子から「殺せ」という声が飛び,間もなく娘は2年生男児にバットで後頭部を殴られます(ここまでで2点の問題点をあげておきます。鍵のかかる場所に置かれている野球道具を子供たちが手にしていることと,「殺せ」という言葉が飛ぶ暴力的な雰囲気です。これらについてはまた別に)。殴られた直後について,朦朧とした意識の中にある娘が記憶していることがいくつかあります。まず,誰かはわかりませんが大声をあげながら駆け寄ってくれた人がいます。その人に支えられて児童館の中に戻ります。ここから先,最初の病院までは記憶を残していません。私はそこが「脳振盪による記憶消失」の時間と考えています。

 次に,児童館長が作成した資料から同じ場面を拾います。Bとしておきます。この資料は,現場を「子どもしか見ていなかった」ので,翌日,現場に居合わせた子供たち一人ひとりから指導員が聞いたものとしてあります。まず児童館前に,外遊びに向かうため引率の指導員と子供たちが集まりました。公園では野球をしないことを言われて「不満を持っていた児童」もいたとし,先生(娘)と5年生男児が話している時に,バットを持った2年生男児が後方から突然バットを振り上げ,先生の頭をめがけて後ろから殴りました。左耳の上にあたり,先生は痛さに「一瞬気絶するがすぐに気を取り戻す。道路上にうずくまっているところを近くにいた通行人や館の前の家の人に助けられ児童館で頭部を冷やして手当を受け」ます。
 Bへの疑問を記します。「左耳の上」としていますが,殴られたのは右後頭部で,聞こえなくなったのも右耳です。「一瞬気絶するがすぐに気を取り戻」すとはどういう動きを意味するのでしょう。それもさることながら,「一瞬気絶」した者が「うずくまる」行動を取れるのでしょうか。事件翌日に帰郷した娘の後頭部から首にかけて,バットで殴られた時の傷が残っていました。右耳聴力を奪うほどの衝撃力の痕です。痕跡を残した衝撃は,立っている人間の頭に「横」からの力が加えられました。横の衝撃を頭に受けた人間が,うずくまるという「縦」の動きを取れるのでしょうか。娘の記憶は「倒れた」です。娘の左頬には小さな擦り傷があったので聞くと「倒れた時」と答えました。彼らの記述は「うずくまる」にとどまらず,この後「しゃがみこむ」も用いられます。この疑問を感じさせる記述は,児童館広報係に堕した神戸市こども青少年課の資料にそのまま記載され,それがさらに労災資料にも引用されることになります(私は児童館と合わせて彼らを悪の枢軸と呼んでいます。彼らの前では被害者個人は無力です)。

 現場の大きな疑問のもう一つは,殴打の場面を目にして娘に駆け寄り,児童館に運んでくれた通行人です。AにもBにも登場していますから,確かにいたはずです。しかしこの人はその後一切姿を見せません。私はこれが不思議でなりません。私の常識では,このような形で関わってくれた見ず知らずの人がいれば,名前や連絡先ぐらいは聞きます。なぜかそれが無かったようです。娘の話を聞いた警察も証言を得るために必死に捜してくれましたが,発見には至りませんでした。現場を見たはずの大人の証言がないのです。同じくBにある「館の前の家の人」に至っては一切出てきません。何のために記載したのか。存在自体を私は疑っています。

 上記Bの記述内容は多くはありません。それなのに娘の記憶で書いた労災関係書類を訂正した際,「当法人にて把握している事実関係は目撃者等からの聴き取り調査を経た」もので「最も正確なもの」と児童館を運営する事業者は主張するのです。何をか言わんや,です。娘への直接的な聴き取りを行いもしないのに,です。事実と向き合おうとしない人たちの記述が,大手を振って歩いています。