娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市松原児童館で小2男児が職員を背後からバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。事件についてのあれこれ,世に伝えられる暴力などについて考えたあれこれを記しています。私の名前は,久保田昌加(仮名)。

被害者=娘

被害者は社会的弱者のままにある

先月末,犯罪被害者の支援が進んでいないとする報道がありました。具体的には,犯罪被害者への見舞金を支給する制度を犯罪被害者等支援条例などで定めている全国約300の自治体のうち,2019年度に制度を一度も活用せずに支給がなかった自治体が,少なくとも12…

児童生徒からの暴力に関する署名

神戸市の児童館で小2児童にバットで殴られた娘は,子供からの暴力被害に遭った人たちと事件を社会的な問題として考えていくことを目的に,昨年3月『児童・生徒からの暴力被害者の会』を組織しました。活動が必ずしも順調というわけではなかったと思います…

闇に葬られる,のは

私がこの正月に入ってからの報道で気になったものを拾うと,イランの旅客機撃墜とか,ボーイングの連続墜落事故情報の隠蔽とか,三菱電機の労働問題への不誠実対応など1面に載る記事でも背景に「隠したい」を感じるものが少なくありませんでした。背負うも…

謝罪,暴力と向き合う姿勢

尼崎高校バレーボール部の事件を考える 2nd 前回,尼崎高校バレーボール部での体罰・隠蔽に関する意見を書きましたが(’19/05/19『暴力・救急車呼ばず・隠蔽・・・また?』),早い進展がみられたので,引き続きこの事件に触れておきたいと思います。 尼崎市…

児童・生徒暴力被害者の会

今月初め,娘が『児童・生徒暴力被害者の会』を発足させました。一昨年5月の事件以来,さまざまな理不尽を受け,自分が置かれている状況の厳しさに辛い思いを繰り返してきましたが,多くの人の支えの中で,自分と同じ境遇の人が増えてはならないという思い…

隠され,偽られた事件情報

社会への事件情報周知=報道と考えた場合,少年事件に関する報道をどう思っているか,について前回記しましたが(’19/02/25『少年事件と報道』),実際の娘の事件では,情報そのものが隠され,正しい事件情報が流されませんでした。改めて報道との関連から記…

事件報道から1年,次に向けて

2017年12月19日,「神戸市立松原児童館バット殴打事件」が初めて報道されました。事件から7カ月近く経過してからのことでしたが,それから1年経ちました。この報道は,被害者家族にとっては,事件の大きな転機にあたる出来事でしたので,そのあたりのこと…

クロ現もAERAも取り上げた!!

入院中の娘に,「お前の頭は父親譲りの石頭。爺さん代々の石頭だから死なずに済んだ」と話したことがあります。もちろん励ましのつもりで話したし,最悪の事態にならなかったことが嬉しかったからの冗談だし,娘もその言葉を笑いながら受けてくれました。し…

犯罪被害者という社会的弱者

郷里での落ち着いた療養を終えて神戸に帰った娘は,暴力によって奪われた生活を取り戻そうとしますが,厳しい現実が待っていました。まず,身体が抱えた不調を診療・治療することが優先される生活になりました。当初から聴こえにくい状態になった右耳は,一…

被害者である娘の症状

娘の現在の症状についても記しておきます。 現在の主たる症状としては、「突発性難聴」と「バレリュー症候群」があげられます。右耳の突発性難聴については、聴力が固定され、回復することはないと診断されましたので,補聴器を使用しています。「バレリュー…