娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市松原児童館で小2男児が職員を背後からバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。事件についてのあれこれ,世に伝えられる暴力などについて考えたあれこれを記しています。私の名前は,久保田昌加(仮名)。

事件とその後の経過 (1)

 事件当日やその後の問題に関するポイントについては,今後のページを増やしながら詳しく書いていきますが,まずは事件以降の経過をざっと記しておきたいと思います。

 2017年5月24日の午後5時,事件が起こります。他の少年を指導していた娘は,いきなり小2男児に背後から殴られ,その場に昏倒します。意識は朦朧としていました。救急車は呼ばれません。警察への通報もありません。児童館の中に収容された娘は,1時間半経過してから児童館長の運転する施設の車で最初の病院に運ばれます。娘は,ここでの診療中に朦朧とした意識から回復したといいます。この最初の病院では「異常ナシ」との診断をされますが,この時点で右耳が聞こえないことを訴えたので,2つめの病院に行きます。しかし,この2つめの病院はインターン的医師しかいないので,翌日来るよう指示を出され,そのまま娘はアパートに帰されます。

 翌25日,指示のあった病院を一人で訪れると「即入院」の指示が出されます。しかし,前日からの一連の経過の中で不信感を覚えていた娘は,郷里に帰っての入院加療を決断します。児童館の指定管理者となっている社会福祉法人の事務所に寄って労災関係書類をもらい,郷里に帰ります。

 郷里に帰って翌日入院し,1週間後退院し,通院治療を続けます。この間,1度だけ児童館長から電話連絡がありましたが,その後何も連絡は入ることはありませんでした。

 1カ月経った6月26日に,娘は私に同行されて神戸市に戻ります。翌27日に神戸市内の病院で転院手続を取り,事前に電話予約を入れておいたひょうご被害者支援センターを訪問して相談をしました。この中で,この事件が警察に通報されていないことがわかり,その足で管轄の兵庫署を訪問して被害届提出の相談をします。私と娘は翌28日に,指定管理者を訪問し,警察の触法調査への協力を申入れします。被害届の正式な提出は7月5日となります。

 その後7月6日児童館の指定管理者(管理職的な方)から電話があり,児童館長のまとめた資料があるので送付したいとのことで,断る理由もないので応諾し,資料は10日に受取りました。その内容については、疑問の個所が多々見られました。これについては別途詳述したいと思います。

 この時点まで,施設設置者である神戸市役所から何も連絡ないことに疑問を感じた私は,7月12日に神戸市こども青少年課に電話を入れ,電話に出た係長に被害者の状況を伝えました。係長は「基本的には指定管理者が対応するが,市も動向は注視したい」という返答がありました。その後,8月末になっても,被害者の生活に対する労災などの支援がないことから,被害者は労災を担当している労働基準監督署に生活の窮状に関する意見書を提出したので,この写を係長宛に送りましたが,その後も市役所からは何の連絡もありませんでした。2度のこちら側からのアプローチに対して,電話連絡もないので,常識的な対応ができない人たちではないのか,という疑問をこの頃から持つようになりました。

 8月1日に,加害児童の母親から私に電話がありました。触法調査にあたっていた兵庫署の担当の配慮・指導によるものでした。被害者側への接触が遅れた理由として,児童館長に止められていたとの発言もありました。私としては,こうした電話だけで済ませられていることには今でも疑問に思っています。その後,加害児童母親と2度電話で話していますが,いずれもこちらからのもので,加害児童側から何らかの連絡を取るとか,直接面会するとかの動きは一切ありませんでした。