娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市松原児童館で小2男児が職員を背後からバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。事件についてのあれこれ,世に伝えられる暴力などについて考えたあれこれを記しています。私の名前は,久保田昌加(仮名)。

児童館が作成した資料(3)

 児童館指定管理者が作成した経過資料への疑問について続けます。

 

「野球遊び」の真実
 資料5月25日,事件翌日のところに,「K先生より公園では野球をしない(野球は小学校のみで実施)ことを言われ、不満に思っていた児童もいた」とあります。しかし娘は,警察から「児童館長から,2016年から野球はしないことになっていて,もう道具は凶器に使われたものしかなかったと説明を受けた」と聞いたと言っています。少なく事件当日まで,ごく普通に野球は行われていたことを娘は見ていたわけで,児童館における野球の取扱いは曖昧な中にあることになります。

 しかも,資料の5月31日には野球に関する記載が多く出てきています。
「週一回の野球に関しては職員間でルールを再度、見直しをするため、当面は実施を見合せ」
「外遊びも含め、野球についてのルールをミーティングにて話し合う」
「子どもたちへの説明期間を含めて6月21日(水)を目途に再開する」
という記載に加え,この日の末尾には「※」を付した2つの記載があります。内容は,
「4名の児童の保護者から野球再開の要望等の手紙や電話対応を受け対応」
「野球を希望している児童を集めて、野球再開に向けて子どもとの話合いの場を持つ」
という記載です。

 野球ができないことに対する不満が表面化するのは,事件当日ではなく事件後なのではないでしょうか。しかも,1年前から野球ができないことになっていたとすれば,なぜこの時期になって要望とか出てくるのでしょうか。こうした問題や要望は,変化が有った時に起こるもので,1年前に変えたものがここで問題化すること自体あり得ないと考えます。「野球はできない」ことになっていたのか,「野球をさせない」ことにしたのか,どちらなのか。1年前からしていないというのであれば,警察に見せるためバットを実際に使われた凶器1本だけにしたかったのではないか,つまり実際の凶器となったバットはほかにあるからではないか,などと推測できます。
 冒頭にも記したとおり「野球をしないことをいわれ,不満に思っている児童もいた」と記すのであれば,このあたりを明確にしていただきたいものです。加害児童の触法行動の要因とも関連することになるので,そこは明らかにしてほしいところではあります。

 

 これまでに記してきたことは,指定管理者から提供された資料の疑問に関する主なものです。詳細に関しての疑問は多々あります。いずれにしても、被害者側にとっては「真実に足る資料」ではないことを改めて強調しておきたいと思います。
 そして,私がここにそうした疑問を書き連ねるのは,真実がほしいからです。いい加減なことをあたかも事実のように記すことが,事実のもとで大きな痛手を受けた被害者に「大した傷ではないでしょう」と言っていることなのです。そうしたことは絶対に受け入れられません。しかも,この資料に書かれていることを神戸市も事実のごとく語り始めることになるのですから。
 なお,被害者側が真実を求めて動き出すのは,事件後1カ月を経過してからになりますが,その間,特に事件から2週間の間に,指定管理者や市役所は事態を収束の方向に持っていこうとしている姿が見えます。そのあたりは稿を改めて記したいと考えていますが,彼らの2週間を考えるうえでは重要な資料になっていることも記しておきたいと思います。