娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市児童館で小2男児が職員を後ろからバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。事件以降のあれこれを記していきます。ブログ開設趣旨を,開設日2018年10月3日に記載しています。私は,久保田昌加(仮名)

神戸市 被害者の取扱い方

 

文書のやりとりで見えた市職員の姿勢

 私と娘は,児童館の施設設置者である神戸市の対応に対して,当初から疑問を感じ続けてきましたが,記者会見や市会常任委員会での質疑を通してその疑問はさらに膨らんでいきました。そこで,平成30年5月に2度,神戸市長宛に「質問状」を提出しました。そのやり取りの中で,神戸市の被害者に対する姿勢が見えてきたことを記してみたいと思います。
 なお,神戸市に対する質問と回答の具体的な内容については,量が多いので,今後掲載の仕方を考えながら,何らかの形でお示しできればと思っています。

  

質問にはまともに答えない(質問に対する回答率)

  被害者からの質問は,2度の提出を合わせて、11項目27質問となっています。回答の内容は別として,「質問に答えたかどうか」で単純に拾うと,16質問に対して回答をしていることになります。理由が記されていないことも含めての27質問中の16回答ですので,その数字で考えると59%の回答率ということになります。質問側としては,全く触れていない11質問について,触れなかった理由をこそ,知りたいところです。
 先の「59%」は,あくまで質問数に対する回答数という数字ですが,回答の内容を子細に見ていくと,正面から具体的に返された回答は一つもない,と私は受け止めています。つまり,内容での回答率として考えると,0%としか言いようがないのです。いずれにしても,質問を真っ正面から受け止めない,誠意ある回答するほどの相手じゃない,などと見ているのでしょう。
 なお,回答文3ページ中に誤字・脱字が3カ所ありました。回答文の内容同様,文書作成も熟慮していない姿勢がうかがわれることを付け加えておきます。これも,彼らにとって被害者は「軽く扱って構わない」小さい存在なのだろうと受け止めるしかないのでしょう。

 

公文書にしない?(文書の取扱い)

 被害者からは「神戸市長」宛で文書を提出したにも関わらず,「課名」での回答でした。しかも課の代表者名もなく,公印も付されていません。私どもからの質問や回答は,公文書としての扱いがなされているのだろうかという疑問が生じます。
 具体的に,神戸市の「公文書管理規程」をもとに指摘してみたいと思います。公文書には「文書に付する記号及び番号」を付すことや,記号及び番号について「文書の収受又は起案ごとに取得」するとありますが,記号も番号も付されていません。
 また,「庁外宛に発送する文書の発信者名は」は,「市長,保健所長その他の市の意思等を対外的に表示することができる者の職名及び氏名」とされ,この後半には「ただし,通知,事務連絡その他軽易であると認められるもの」は,「職名若しくは補職名及び氏名又は職名若しくは補職名のみを用いる」とありますが,職名も氏名もありません。ほかに「到達した文書の取扱い」でも,「収受印及び記録を省略できる」例として「軽易なもの」があげられています。今回やり取りの文書は,彼らにとっては「軽易」なもの,もしかして「軽易以下」ということなのでしょう。
 公印については,「必要のあるものについては公印を押す」とあり,無いことが規程に反するわけではないでしょうが,これも「軽易」だからということなのでしょう。
 また,18年6月に行われた神戸市会常任委員会で,部長が「私も回答させていただきました」と答弁していますが,何ゆえ上席者が関わっているにも関わらず下位の課名での返答がされているのでしょう。課名ではなく部名が適切ではなかったのではないでしょうか。
 いずれにしても,このままにしておくと,この先で質問に関連して問い合わせた際に,「公文書として残されていない」という答えが返されるのではないでしょうか。規程類などは基本的なことを決めているわけで,これに合わないからといって違反になるとは限らないにしても,その場合は規程に合わない理由が明確にわかるように説明すべきではないのでしょうか。もし,その説明がなくても構わないというのであれば,規程そのものを設ける必要がなくなる,つまり市としての公文書のルールそのものの存在価値を否定することを意味するように思われます。以上の疑問が私の杞憂で済むことを期待したいものです。
 なお,この回答と同時期に送付があった神戸市教育長からの文書は,教育委員会公文書管理規程に定める文書番号は見られなかったものの,教育長名による公印押印文書として作成されており,市長部局の担当課よりは規程に添った処理がなされていると考えています。

 

市会議員は大事に(被害者は?)

 回答文書の発送日が「平成30年6月15日」付ですが,この4日後の6月19日に神戸市会常任委員会が開かれ,この中で事件に関する質疑が行われています。答えてもらえなかった質問と同内容の3件の質問に対し,部長がそれぞれに回答しています。議会での質問には答えられても,当事者からの質問には答えられないという姿勢がここに見られます。

 

情報は入ってくるものだけでいい(自らは集めない)

 事件後の経過の中で,加害少年の児童相談所送致,記者会見における発達障害発言などがあり,そのことについて考察する中で,神戸市組織内に児童相談所発達障害児童の支援担当など関連部署があることを知りました。そこで,この事件への対応について,組織内関連部署との情報共有などの活動がどの程度なされていたのかとする質問を出しましたが,回答はありませんでした。庁内関連部署との情報交換などが行われないことが違法では無いにしても,法令に基づく公務員の仕事への取組みとして,いささか杜撰な印象を受けます。自らの仕事の情報を集め,関連部署からも意見を聞いたりすることで,より多くの人(納税者)に納得してもらえる仕事になると思うのですが,そうではなかったことを確認した感じがあります。指定管理者からの情報に頼ってばかりで,市で持つ情報にも疎く,自ら動こうとしない姿勢に視野の狭さを感じ,私は「タコツボ仕事」と評してきましたが,そのことを改めて確認できたようです。

 

 以上,質問のやり取りの中でわかった神戸市職員像を記しました。これはあくまで,普通には起こり得ない事件を通しての姿ですので,普段の対応は当然「違う」という話になるでしょう。それを承知したうえでの記述です。
 また,質問の提出に際しては,できるだけ具体的に記したつもりでした。しかし,市から得られた回答は,これまでどおり指定管理者の情報に依拠したもので,新たな事実などは含まれていませんし,真摯な姿勢がうかがわれるものでもありませんでした。内容も希薄過ぎ,収穫もなく,徒労だけが残されたように感じていることは改めて強調しておきます。