娘をバットで殴られて

2017年5月24日,神戸市松原児童館で小2男児が職員を背後からバットで殴る事件が起きました。その職員は私の娘です。事件についてのあれこれ,世に伝えられる暴力などについて考えたあれこれを記しています。私の名前は,久保田昌加(仮名)。

プライバシー? 聞いてないけど

神戸市は,事件に関連する問いかけに対し,「プライバシー」という言葉を使うことがままありました。関連する質問・回答から,この言葉について整理しておきます。 [タイトル]加害児童に対する関心について[質問] これも記者会見用に作成した資料に関連…

「特段の理由」があるから言葉が変わるんです!

事件後半年以上も経過した平成29年12月19日,事件が初めて報道されました。このため神戸市は急遽記者会見を行います。その際の資料を情報公開で入手しましたが(’18/10/10『神戸市や指定管理者が考えた事件現場』),そこに被害者が許容できない文言や疑問が…

バットの硬さが影響する話なの?

事件の凶器となったバットについて,神戸市と指定管理者は,これまでバットが「軟らかい」ことを強調してきました。そのことに対する疑問です。[質問] 前回質問に対する回答の中で、「あたかも競技用バットで殴ったととられかねない報道があり、説明会見を…

検証って,そんなもの?

救急車を呼ばなかったことも含め,指定管理者の事件現場対応には多くの疑問が残されている,との考えからのやりとりです。 [タイトル]指定管理者の事件現場での対応について[質問] 指定管理者が作成し、平成29年7月に被害者へ送付された資料には「グラ…

回答,前回のコピーはないだろう!

3月に神戸市と行ったやり取りのうち,今回は事件発生直後,指定管理者が救急車を呼ばなかったことに関連するやりとりです。[タイトル]事件直後の被害者への措置について[質問] 昨年5月に提出した質問状(以下「前回質問」と記す)の同タイトルに関連し…

神戸市が回答,やっぱりアイツら!

3月上旬に,娘と私が神戸市役所に赴いて提出した質問状(’19/03/15『質問状,出してきました』)の回答が3月末日に来ました。それからじっくりと中身を整理してきました。質問・回答については,次回以降,子細に掲載していきたいと思います。 前回の回答…

児童・生徒暴力被害者の会

今月初め,娘が『児童・生徒暴力被害者の会』を発足させました。一昨年5月の事件以来,さまざまな理不尽を受け,自分が置かれている状況の厳しさに辛い思いを繰り返してきましたが,多くの人の支えの中で,自分と同じ境遇の人が増えてはならないという思い…

再び,アイドル暴行事件を考える

今年1月に報道されたAKB48の姉妹グループで,新潟市を拠点に活動するNGT48のメンバー山口真帆さんが暴行された事件について,娘の事件と共通するものがあることを以前記しました(’19/01/18『アイドル暴行事件で考えた』)。3月下旬になってこの事件…

質問状,出してきました

今月上旬,私は娘と神戸市役所を訪れ,3度目の質問状を出してきました。質問状の提出理由は前回記していますので(’19/03/14『3度目の質問状を提出する理由』),ここでは提出場面について記しておきます。なお,質問状の内容については,神戸市からの回答…

3度目の質問状を出す理由

娘の事件に残されている疑問の中に,神戸市役所が関係する部分が多いということを,このブログをお読みの方はわかっていると思いますが,そうした疑問をどのように問えば良いのか,どうすれば市役所が答えてくれるのかはよくわかっていませんでした。同じ思…

生徒の暴力を隠したいの?

先月末,生徒に暴行されて重傷を負った教諭が,市などに慰謝料を求める訴訟を大阪地裁に起こしたとの報道がありました。教師に対する暴力を巡って学校側を相手に訴訟というのは極めて異例,ともありました。暴行した生徒側ではなく,学校側であることに注目…

隠され,偽られた事件情報

社会への事件情報周知=報道と考えた場合,少年事件に関する報道をどう思っているか,について前回記しましたが(’19/02/25『少年事件と報道』),実際の娘の事件では,情報そのものが隠され,正しい事件情報が流されませんでした。改めて報道との関連から記…

少年事件と報道

娘の事件が世間に知られることになったのは,事件から半年以上も経過してからでした。そのあたりは以前にも記していますのが(’18/10/10『神戸市役所って,敵だったんだ』),遅れた事件報道は,少年事件と報道の関係について考えるきっかけになったと思いま…

少年事件と触法事件

娘の事件が,なかなか被害者の思うような形になっていない要因として,加害者が児童だったこと,少年法が関係することも少なからず影響しているように考えています。 刑法では,14歳未満の少年は心身未成熟ということで,責任無能力者=刑事未成年者として扱…

「しつけ」という名の暴力

千葉県野田市で起こった児童の虐待事件。何から何まで腹立たしく,痛ましい思いにかられます。親が「しつけでたたいた」と語っていることが最初の報道だったと思います。「しつけ」という言葉を親の特権のように振りまわし,暴行・暴言という暴力が繰り返さ…

学童保育の職員

昨年末の12月25日の新聞に「学童保育、職員1人も可能」とする記事がありました。娘の事件も学童保育の現場で起こったことなので,こうした記事を目にすると気になるようになっているこの頃です。 記事の内容は、共働きやひとり親家庭の小学生を預かる放課後…

アイドル暴行事件で考えた

最近ニュースとして取り上げられたAKB48の姉妹グループメンバー暴行事件の報道を見ながら,娘の事件対応と共通するものがあることに気付きました。 この事件の発生は,昨年12月8日。アイドルグループNGT48メンバーの23歳女性が,公演が終わって帰った…

認知症患者が人を危めた場合

新年早々に,「介護施設で殺人未遂‥職員の首絞めた入所者の女を逮捕」という愛知県の事件が報道されました。認知症対応型高齢者施設での事件で,逮捕されたのは83歳の女でした。これに対し,ネットでは「逮捕はいき過ぎ」「通報する施設も施設」などと逮捕を…

「松原児童館バット殴打事件」ダイジェスト

年が変わります。これまで3カ月ブログに掲載してきた内容を全部読んでいただくには,少し量が有りすぎるかもしれません。ということで,改めて事件経過をダイジェストにしてみました。 事件は,神戸市立松原児童館前の路上で,2017年5月24日午後4時に発生…

事件報道から1年,次に向けて

2017年12月19日,「神戸市立松原児童館バット殴打事件」が初めて報道されました。事件から7カ月近く経過してからのことでしたが,それから1年経ちました。この報道は,被害者家族にとっては,事件の大きな転機にあたる出来事でしたので,そのあたりのこと…

クロ現もAERAも取り上げた!!

入院中の娘に,「お前の頭は父親譲りの石頭。爺さん代々の石頭だから死なずに済んだ」と話したことがあります。もちろん励ましのつもりで話したし,最悪の事態にならなかったことが嬉しかったからの冗談だし,娘もその言葉を笑いながら受けてくれました。し…

犯罪被害者という社会的弱者

郷里での落ち着いた療養を終えて神戸に帰った娘は,暴力によって奪われた生活を取り戻そうとしますが,厳しい現実が待っていました。まず,身体が抱えた不調を診療・治療することが優先される生活になりました。当初から聴こえにくい状態になった右耳は,一…

世間では救急車を呼ぶのが常識!

娘はバットで頭を殴られたにも関わらず,救急車を読んでもらえなかった顛末は以前記していますが(10/09『呼ばれなかった救急車』),私は指定管理者の対処は間違っている,救急車を呼ぶのが常識だろうという気持ちをずっと持っています。神戸市役所や指定管…

凶器のバットは「やわらかい」のか

事件が娘にもたらしたもの,その大きな一つは身体的な負担になると考えています。具体的な症状については,以前記していますのでそちらをご覧ください(10/05『被害者である娘の症状』)。頭部外傷,つまり脳への衝撃を受けたので,身体各所に不具合が現れて…

神戸市の「検証」を検証する

今年3月の神戸市会常任委員会の質疑の中で,娘が被害者となった松原児童館バット殴打事件に関する質問が出ました。市会で取り上げられるのは初めてでした。市側は予想していなかったのか,それとも資料が十分でなかったのかはわかりませんが,答弁に立った…

被害者を避ける神戸市

娘は事件翌日に郷里へ帰り,入院を含む治療に入りました。頭部外傷という後遺症の危険が高い状況におかれ,事件直後から片耳がほとんど聴こえなくなっている娘の状態を考えると,この負傷は決して小さいものではないと思っていました。しかし,指定管理者か…

事態は矮小化されている

前回(11/07『改めて事件の要因を考える』),事件の要因について私の考えを記しました。被害者が苦しめられてきたのは,事件後の関係者の対応にもあることを説明したつもりです。そこで,神戸市が指定管理者の情報にだけに依拠して発表を行なった12月までの…

改めて事件の要因を考える

2017年5月24日の事件現場については,何度かこのブログに記してきました(10/05『考えられる事件の要因』,10/10『神戸市や指定管理者が考えた事件現場』)。しかし,被害者の述べる現場と神戸市・指定管理者が述べる現場には違いがあります。小2児童が職…

児童はなぜ野放しにされたのか

今回も事件現場での対応に関して振り返ってみます。神戸市は,事件後の指定管理者の対応を「適切」としてきました。「適切」とするその対応への疑問は,被害者に対するものだけではありません。10/27『コトの重さをいつ意識した?』でも触れましたが,加害児…

それでも現場対応は「適切」といえるのか

改めて事件現場にを振り返ってみます。事件直後の指定管理者の対応,具体的には頭部をバットで殴られた被害者の扱いを神戸市がどう評価しているのか,ということについてです。 まず,被害者から神戸市への質問と,これに対する回答をことから始めます。質問…